不安障害について
以前は神経症と呼ばれていた最も身近なこころの病気の一つです。「ノイローゼになった」「ヒステリーをおこす」などと言いますが、これらの言葉の語源となっている疾患です。
不安障害Q&A
Q.1 どのような種類がありますか?
◆パニック障害(不安神経症)
動悸、呼吸難感、めまい感、喉頭違和感などの自律神経症状の発作(パニック発作)が通常30分~1時間程度続くというものです。
◆社会不安障害(対人恐怖症)
対人場面での不安、緊張症状をきたすものです。(赤面恐怖・視線恐怖・会食恐怖・吃音・書痙)
◆強迫性障害
自分でもばかばかしいと認識している考え(強迫観念)が繰り返し生じ、その考えを払いのけようとすると強い不安、恐怖が生じるというものです。(不潔恐怖・確認症・加害恐怖・縁起恐怖・雑念恐怖・疾病恐怖)
◆身体表現性障害
医師に異常なしと言われても、自分の身体的健康について悩むものです。(ヒステリー・心気障害)
◆PTSD(心的外傷後ストレス障害)
大事件・大災害・深刻な犯罪被害・虐待・DVなどを経験したのがトラウマとなり、直後または数か月を経てフラッシュバック、思い出させる物の回避・無感動・無感覚といった症状が起きるものです。
Q.2 治療について教えてください
薬物療法
抗不安薬やSSRI(抗うつ薬の一種)が多く用いられます。
精神療法
治療者と患者の相互交流を通した心理的メカニズムによって、患者様に何らかの変化をもたらそうとする方法です。認知行動療法・精神分析療法など種々のものがあります。当院で行われている森田療法も有力な方法の一つです。
Q.3 当院の森田療法について
治療原理
- 症状を人間普遍な現象とみなして排除せず、「あるがまま」に受容する。
- 当面の現実生活を目的本位にはたすことにより悪循環の過程を打破する。
入院森田療法
- 第一期(臥褥期)
「絶対臥褥」(一週間程度一室にこもる)
安静→煩悶→退屈という過程 - 第二期(軽作業期)
日記指導の開始、病棟観察および軽作業 - 第三期(重作業期)
すべての作業に従事「あるがまま」「目的本位」を実践 - 第四期(生活訓練期)
外出・外泊の励行、社会復帰、退院の準備